ラ・パルマ島 天文プロジェクト

ラ・パルマ島には世界有数の天文台があります。

大陸から離れたこの島は、大きな町の光が届かず、きれいな空気があり、晴天率が高く、天文観測を行う誰もがうらやむ優れた環境があります。


日本との共同プロジェクトも進んでおり、日本からは昨年ノーベル物理学賞を受賞された直後に東京大学の梶田隆章教授が新しい望遠鏡の設置のために訪れ、新聞やニュースで報道されていました。ここ数週間、地元の新聞でも日本との共同プロジェクトに関する記事を見かけ、ちょっと誇らしい気持ちになりました。


どのような研究や望遠鏡なのでしょう・・・それは、以下の駐日スペイン大使館のホームページの紹介よりhttp://www.exteriores.gob.es/Embajadas/TOKIO/ja/Noticias/Paginas/Articulos/20160414_NOT1.aspx
スペインと日本の間でラ・パルマ島に4期の新しい望遠鏡を設置することを合意
14/04/2016
​カルメン・ベラ研究開発イノベーション長官は、日本の冨岡勉文部科学副大臣と共に、ラ・パルマ島のロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台に4基のチェレンコフ望遠鏡を設置・操作するための協力に合意する調印式に出席した。同式において、ラファエル・レボロカナリア天体物理研究所(IAC)所長と梶田 隆章東京大学宇宙線研究所長(ICRR)による署名・調印が行われた。4基のチェレンコフ望遠鏡は、直径23メートルの大型望遠鏡(LST)であり、高エネルギーガンマ線と暗黒物質に関連づけられている天体現象の観測を可能にするだろうといわれている。これらの望遠鏡が、ラ・パルマ島にあるCTA北半球天文台に設置される望遠鏡の中でも最も大きいものとなり、直径12メートルの望遠鏡(MST)15基と共に設置され、天文台の中心施設となる予定である。

大型望遠鏡(LST)は、日本・イタリア・フランス・ドイツ・ブラジル・インド・スウェーデン・クロアシアの大学や国際研究センターの研究者や技術者と、バルセロナ大学、バルセロナ高エネルギー物理学研究所(IFAE)、エネルギー・環境・科学技術研究センター (CIEMAT)、マドリード・コンプルテンセ大学、バルセロナ自治大学、バルセロナ自治大学宇宙科学研究所、ハエン大学、カナリア天体物理研究所のスペイン研究グループの協力により開発された。

この新しい国際科学インフラストラクチャーは、現在の10倍の施設能力を誇り、光学を超えた宇宙の新しいビジョンに近づくことを可能とし、宇宙エネルギーやブラックホール、超新星などの予測不可能で未知のデータをもたらす。この合意によって、カナリア天体物理研究所は、4基の望遠鏡の設置と開発・運転に携わり、最初の10年とその翌年から一年毎の自動更新を保証されることになる。


CTAコンソーシアムは、CTA北半球計画の主な出資国であるスペイン・日本を含む32カ国にある200の研究所に勤務する1200人以上の科学者により組織されている。同コンソーシアムの目的は、宇宙で起こる最も強烈な天体現象についての情報を得るための、高エネルギーガンマ線の検出と研究のためのインフラ整備である。
経済競争力省は、国内外の機関と共に、CTA北半球計画をスペイン国内で実現できるよう、建設費用の半分にあたる40百万ユーロを出資した。

CTAのインフラとして、北半球と南半球に天文台が一カ所ずつ整備される。約120基の望遠鏡が北・南半球に設置され、ネットワークでつながる予定である。CTA北半球天文台は、ラ・パルマ島のロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台に設置される。また、CTA南半球部天文台は、パラナル(チリ)の欧州南天天文台(ESO)に設置される。

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